【完】甘い香りに誘われて 5 極道×やんちゃな女たち


隼も一度として言った事はなかったそうだ。


それなのに結局は極道の若頭になっちゃった。

由香里さんはなっちゃったと私に伝えた。




それはもうコソコソと表社会で生きてきた私達の率直な感想会というか意見交換会というか


決して姐さんたちがしていい会話とは思えないのでコソコソになる。



菫や琉が大人になる頃にはこの世界もまた様子が変わっているだろう。


それは極道だけではなく表社会も同じ。


深刻な顔つきになる私に


「人が大切だと思う想いは変わらないのよ。風化しない。それは結衣が次郎長に対して感じる思いと同じよ」



「なるほど。でも、どっちかっていうとその反対側にいる鬼平にも心を惹かれるんですよ」



「結局のところ人として大切な気持ちは何だってことなんだよ。裏であるとか表であるとかいう前にね。その世界の中で貫かなきゃいけない思いってとこなんだと思うよ」



私達の話し合いは菫が幼稚園から帰ってくるまでの間、笑いとともに繰り広げられた。




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