抹茶まろやか恋の味



 あの甘くもあり苦くもあった文化祭から四年が経ってしまった。


 彼女との約束では三年後だったのだが、僕の『学力』が足りなかったがために、一年長く待たせてしまった。


 いや、もしかしたら待っていてはくれないのかも知れない……。


 最近の彼女の様子から、そう思ってしまい、やはり落ち込みそうになる。だが、それでも気力を奮い立たせて、一歩一歩力強く『あの場所』を目指す。


 京都のとある大学――ここで彼女と再会する。


 ……つもりだったのだが、校門を越えた途端、大学内の人が多すぎて目的の彼女が見当たらない!


 今日は入学式だ――そしてどこもかしこも人・人・人……!


 しかもサークルや部活の勧誘をする先輩方も多くいるために、利香を探すどころか前を歩くのも難しい。


「どうやって探せばいいんだ……!」

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