雨恋~芸能人の君に恋して~
最終選考
―Side Ruu―




ある日、知らない番号から電話が来た。



通話ボタンを押すと、



『なんで連絡してこねーんだ?』



相手は開だった。



MVで共演したとき、開から「絶対、電話しろよ」と言われて、スマホの番号と、メールアドレスを渡された。



「なんでって言われても、開と話すことないし」



『琉宇にはなくても、俺にはあるんだ!』



やけに苛ついた声。



「なんで怒ってんの?」



そう聞くと、電話の向こう側から盛大な溜め息が聞こえた。



『琉宇、お前さー』



「なに?」



『この前、俺が言ったこと覚えてるか?』



そんなの忘れられるわけがない。



「俺を好きになれ」だなんて、



「俺だけを見ろ」だなんて、



「あんな臭い台詞、忘れるわけないでしょ」



私の言葉に、長い、長い、沈黙が流れた。



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