我那覇くんの恋と青春物語~水谷百合編~
「お前のおかげでしょ」


「はっ?」


何かをしたつもりなどない。



それなのに、そんなことを言われると戸惑ってしまう。


「そうだよな・・・それが分かっちゃ、お前じゃないもんな」


何かを見透かされているような目で、こちらを見てくる。

その何かというものが分からないが、凄く大事なことのように思う。

今まで感じたことのないような、いや、感じたことはあるのだが、それに気付いていなかったような・・・

それほどまでに大事なこと。


「水谷さんはお前のこと大事に・・・大事に思っているよ。お前はどうなんだよ」


「俺だって、水谷さんは・・・大事な友達だよ」


「友達として・・・か?」


友達として



それ以外に何があるというのだろう。



一年のときに初めて会ってから、一緒に話をして、昼休みを過ごして、下校して・・・

修学旅行や下校でのプラネタリウム、高校三年間で様々な思い出をともにしてきた大事な友達ではないのか・・・
< 17 / 34 >

この作品をシェア

pagetop