二度目の恋



凛ちゃんは……妊婦ではない
頻繁に顔を出してくれていた
臨月の私を気遣ってくれて……。


結局、遥輝と里美ちゃんと同居はせず
空きがあった他の階の部屋に住んでいる

もちろん、一輝が結婚祝いにって
買ってあげたものだった


けど、どうやら違うらしい
正確には……三木田社長の遺産
遺言を残していった三木田社長


それには孫である遥輝にも、と
書かれてあったみたい


やっぱり全て知ってたんだ、と。



「あー、やっぱり私も妊娠したい」



なんて凛ちゃんが言い出す


『頑張ればいいじゃん、』

「美奈さん、やめてください!」

「雄大も、その気なんだけどねー、こればっかりはさ。それだけのためにヤるのは、さすがに嫌だし……」


「お母さんっ!!まじやめてっ!」


ふふっ、
さすがに自分の両親がって思ったら嫌だね
けど凛ちゃんは、そんなの気にしないで
普通に話を進めていく


それが可笑しくて、つい笑っちゃう。
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