早く俺を、好きになれ。
「こんなこと、冗談で言うわけないだろ。俺は中1の頃からずっと、咲彩しか見てねーよ」
中1の頃からずっと……。
知らなかった。
そんなにまっすぐに、私を想っていてくれたなんて。
そんな虎ちゃんの気持ちを冗談なんて言った私は最低だ。
ちゃんと向き合わなきゃ。
だけどやっぱりまだ信じられなくて、戸惑いを隠せない。
どう返事をすればいい?
どう返事をするのが正解なの?
わからない。
でも、これだけは言える。
私は虎ちゃんの気持ちに応えることはできない。
気まずい沈黙が流れる。
『ごめんね』って、たったひとこと言うだけなのに言葉が出て来ない。
虎ちゃんの真剣な気持ちを、そんな簡単なひとことで片付けたくない。
親友として大好きな虎ちゃんを傷付けたくない。
でも……なんて言えばいい?
どうすれば傷付けずに済む?
虎ちゃんを失わずに済む?
わからない。
……わからないよ。
「バスケの応援に来いとかミサンガ作れとか、咲彩にしか言ってない。つーか、咲彩以外からもらっても嬉しくないし。俺は、マジでお前が好きだよ」
スポーツドリンクの缶を握り締める虎ちゃんの手が震えている。
「でも……わた、しは……っ」
……私はっ。
ヤバい。
なんか泣きそうだ。