早く俺を、好きになれ。


シチュエーションも何もあったもんじゃない。


だけどね、脇役の私にはピッタリだと思うんだ。


私は武富君のヒロインにはなれないから。



「知らなかった。市口さんが……まさか」



戸惑うように揺れる武富君の瞳。


ひどく動揺しているのが伝わってくる。



「だ、だよね……っ。私たちって、話したのも2年になってからだし。武富君の気持ちは知ってるし、返事もわかってるから。ごめんね……急にこんなこと言って」



言ってて喉の奥が熱くなった。


気を遣わせないように愛想笑いを浮かべるけど、きっとうまく笑えていない。



「こ、困る、よね……?いきなり何言ってんだって感じだもんね……っ」



黙り込む武富君を見て不安になった。



「あ……もう本当に気にしなくていいから……っ!なんなら、忘れてくれていいし?ね……!」


ベラベラ一方的にしゃべるしかなくて、泣きそうになりながらも必死に明るく振る舞う。


こんな自分がバカみたい。


私の気持ちは武富君にとって困ったものでしかないってわかりきってるから……苦しい。


だから。


そうでも言わなきゃ、耐えられなかった。


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