優しくて温かい場所(Gently warm place)

∴∴綾華

綾華は、腹の虫が収まらずに
咲桜の兄、和真に電話した。

和真は、
「手がすいたら連絡する」
と、言ってくれた。

その間に綾華は、仕事を片付けた。
すると、和真から連絡があり
和真の行きつけの料亭で
待ち合わせをした。

綾華は、久々の和真に挨拶をして
咲桜の18年を話した。

咲桜が、父からも後妻からも
疎まれていたのは、和真も
知っていたから、そこから後を
話した。

綾華は、涙を流しながら
鼻水を流しながら
咲桜の話をした。

和真は、黙って話を聞いた。

「私は、咲桜に幸せになって欲しい。
ただ、それだけ。
いつも、いつも、咲桜は
疎まれたり、嫌がられたり
なんにも、悪いことしてないのに
人に優しすぎて、自分ばかり
辛い思いをして。

咲桜のグリーンの瞳は、
いつも、泣いてる。
ただ、智さんといたときだけは、
違っていたのに。」


「綾華ちゃん、ありがとう。
咲桜をいつも、守ってくれて
助けてくれて。

俺は、ずっと耐えて力をつけた。
きっと、咲桜を助ける。」

と、言って綾華と和真は、
その場でわかれた。
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