優しくて温かい場所(Gently warm place)

∴∴智



あの日
咲桜のお兄さんと
話した日から色んな事を考えた。

当時の咲桜は、本当に父親と
話してから変だった。

特に、卒業式が近づくにつれて
俺から離れず、体もずっと繋げて
いないと不安そうで。

咲桜は、あのとき
どんな気持ちだったのだろうか?

そんな······

俺が考えに更けっている姿を
なおが心配そうに見ていたなんて
俺は気づきもしなかった。

数日後 父から呼ばれて
実家に帰ると
「何かあったのか?」
と、聞かれた。

父と母に、あの時の咲桜に
おこった全てを話した。

父も母も、唖然と・・しながら・・

母が、
「本当に、咲桜ちゃんは、
いつも人の事ばかりで、
あんなに、いい子なのに。
苦労して、嫌な思いもして
咲桜ちゃんには、幸せになって
もらいたい。」
と、言うと

父も、うん、うん、
と、頷きながら

「だがな、智。
なおさんが心配して
連絡してきたんだ。
お前は、どんな事情でも彼女を
受け入れたんだ。
ちゃんと考えやりなさい。」
と、言われて

俺は、俺の体の事も素直に全てを
二人にした。

母は、
「心的なものだと思う。」
と、言った。

父は、
「そうか。
それで、
お前は、どうしたいと
思っているんだ?」
と、訊ねられて
「わからないんだ。
今更、咲桜を受け入れることが
できるのか?

ただ、なおは解放してやらないと
あいつが、辛いんじゃないかと思う。」
と、言った。
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