愛の色に染めてくれ[ぎじプリ]
まだ誰もいないオフィス
もう少ししたら
みんなが来ちゃうのに…
「おいで…」
眼鏡を外して私を呼ぶ甘い声に
導かれるように右手を差し出すと
突然強引に私の手を引き抱き寄せる。
「みんな…来ちゃうよ?」
「君のキスがないと仕事もできないよ」
そう言われても
私の唇は赤いルージュで染められてるから…
「貴方にうつっちゃう…」
「構わない
早く俺を君色に染めてくれよ」
遠くから足音が近付いてきて
急かされるように
重ねた唇。
あなたが印鑑なら
あなたを赤く染める私は
朱肉みたい…。