living

友達の妹

大学に入って、最初の友達


井原 朔哉(イハラサクヤ)

コイツにも妹がいるらしいが

その妹が、とんでもなくグレて
家出したそうだ


亜依里と同じ歳で、同じ高校に合格した
だけど…


中学校を卒業する前にグレ

高校への入学は、辞めたそうだ


「聞いてくれ!!
妹が、久しぶりに帰ってきたんだけど
金髪になってて…
おまけに目はグレーでさ
何者なんだよって…
ドン引きしてたら、『クソがのけ!!』
とか言うんだ… 悲しくてさ」

「酷ぇな…」


亜依里にクソとか、のけとか

言われたら、確実に泣く


仏壇の前で、父さんに報告する



「はぁ~ 羨ましいよ
お前んとこの亜依里ちゃんは、可愛い」

「まぁ 亜依里は、可愛いな」


本当に可愛い

見た目もだけど…

すべて可愛い

純粋で、正義感もある

寂しがり屋で甘えん坊だけど…

芯が強い

母とよく喧嘩しては…


「そういやぁ、亜依里も家出癖があるな」

「マジか!?」

「母親と喧嘩すると、必ず公園の滑り台で
泣いてるんだ
迎えに行くと、遅いって…
泣きながら、怒る
最近も、迎えに行ったなあ」

「女の子は、そういう癖があんのかな」

「朔哉も妹を迎えに行けば?
案外、待ってるかもよ?」

「どこいるかも、知らねぇの…
迎えに行きようもねぇよ…」


朔哉も妹が好きなのだろう




俺たちは、妹談義に花を咲かせ

仲良くなった


なんで、朔哉が亜依里を知っているかと言うと


「お兄ちゃん!!一緒に帰ろう!!」


わざわざ大学まで来たから



因みに、母から

「お兄ちゃんだって、付き合いがあるの!
大学に行って迷惑かけちゃだめ!!」


って怒られ、家出した



迎えに行った帰り道


「お兄ちゃん… ごめんなさい」


「亜依里が来てくれて嬉しいけど
遠回りして、俺とすれ違いになったら
嫌だろう?家に真っ直ぐ帰ろうな!」

「うん!お兄ちゃん、大好き!!!」



これが、最後のお迎えになった









< 2 / 42 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop