無情の姫

考えてもしょうがない。

直接たずねてみようと口を開く。

しかし、

「アリア様、そろそろ会場へ参りましょう。」

「ぁ、分かりました。」

タイミングよく時間になり、機会を逃してしまった。

(また今度でもいいわよね。)


着替えを行っていた部屋とパーティー会場は案外近く、分厚い扉を通しても人の多さが伝わってくる。

扉に近づくほど緊張が増す。

「緊張なさらずに、堂々としていてください。ルキ様はすでに中にいらっしゃいますから。」


緊張で体がこわばっていることに気づいたメリアが励ましの言葉を送ってくれる。


(よし。)


「ありがとうございます、メリア!」

お礼を告げ、会場へ足を踏み入れる。







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