【完】365日、君をずっと想うから。
怒鳴られる?
それともまさか暴力振るわれたりっ?
最悪の事態を想像して怖くなってうつむいていると、なぜか向坂くんの方からゴソゴソポケットを探っているような音がして。
「─── 月島コウくんへ」
私の耳に、突然聞き慣れた単語が聞こえてきて、思わず目を見開いた。
え……?
「“いつも私に優しくしてくれたコウくん。
離れ離れになってしまったけど、ずっとずっとコウくんのことが好きでした。
出会ったあの日から、私の王子様はコウくんだけです”」
つらつらと向坂くんの口から発せられる言葉に、サーッと全身から血の気が引いていく。
この文章は、私しか知らないはず……なのに……。