【完】365日、君をずっと想うから。
◇ 通じ合わないキス




°








『花ちゃん。
あれがベガで、あれがアルタイルだよ』



『へぇーっ』



『ベガが織姫で、アルタイルが彦星。
綺麗だね』



先生みたいに星の紹介をしてくれていたコウくんが望遠鏡から目を離し、こちらに向かって微笑んだ。



優しさが溢れでているような、この笑顔を見ると、すごく安心する。



『花ちゃんと見られて良かったなぁ』



『私も!
コウくんと見られて嬉しいっ!』



『屋上、貸切状態だしね』



優等生のコウくんが、普段はあまり見せないいたずらっ子みたいな笑顔を浮かべて、ニヘッと笑う。



元々天文部の部活はなかったんだけど、コウくんがせっかくの七夕だから屋上で星見ようって誘ってくれた。



これは、屋上の鍵を持っている、天文部部長・コウくんの特権。



そしてコウくんは私を誘ってくれたんだ。



おこがましいけど〝特別〟って感じて、なんだか胸がくすぐったくなっちゃうなぁ。

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