【完】365日、君をずっと想うから。
コウくんがふっと柔い微笑みを向け、私の頭にぽんと優しく手を置く。
「だから、また会えて本当に良かった」
その手が離れていき、また歩きだすコウくん。
私は、気づけば力を込めていた足を地面に留め、立ち止まっていた。
─── 今だ。
ずっと、胸に秘めていた想いを伝えるのは。
今しかない ───……。
「コウくん……っ!」
コウくんがそこでやっと、私が隣を歩いていなかったことに気づいたようで、こちらを振り返った。
「花ちゃん?」