【完】365日、君をずっと想うから。


コウくんがふっと柔い微笑みを向け、私の頭にぽんと優しく手を置く。



「だから、また会えて本当に良かった」



その手が離れていき、また歩きだすコウくん。



私は、気づけば力を込めていた足を地面に留め、立ち止まっていた。



─── 今だ。



ずっと、胸に秘めていた想いを伝えるのは。



今しかない ───……。



「コウくん……っ!」



コウくんがそこでやっと、私が隣を歩いていなかったことに気づいたようで、こちらを振り返った。



「花ちゃん?」

< 275 / 418 >

この作品をシェア

pagetop