【完】365日、君をずっと想うから。


私の頰に当てられていた蓮の手が、私の手との隙間から落ちていき、だらりと力なく大木の上へ投げ出された。



カチッ……


ポケットに入っていた懐中時計が、蓮の時間を刻むのをやめた。



風の音すら聞こえない、

恐ろしいほどの静寂が私たちを包み込む。



「……れ、ん……蓮……?」



静寂を破り裂いたのは、私の口から漏れた、行き場をなくした弱々しい声。



でもそれは、もうだれにも届くことはない。



全てを理解した途端、涙が次から次へと絶え間なく溢れ、頰を伝う。



蓮の頰に落ちるそれは、蓮の涙のようで。



「蓮、蓮……蓮っ……!」



震える手で肩を揺らしても、もうその身体が動いてくれることはない。






2017年4月7日。


蓮が元いた世界と、この世界の時間とがリンクした───。








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