太陽を追いかけて


……嘘。


私の右手は、どっからどうみても確かに、蒼汰の左手と繋がれていた。


付き合い始めて2週間で迎えた初デート。


まさかこんなに早く蒼汰と手を繋ぐことになるなんて思ってもいなかったから、さっきでもやばかった心臓の音がとうとう蒼汰にも聞こえちゃいそうなくらい大きくなる。


蒼汰は私を、萌え殺したいのかな。


そんなことあるわけないのに、本気でそう思っちゃう私は本当にやばい。


こんな表現はおかしいけど、心臓が胸を突き破って出てきそうだよ。


「……俺と手つなぐの、嫌だった?」


私がずっと手元を見つめて黙っていたのを悪い意味に捉えたのか、蒼汰が瞳を不安そうに揺らして笑う。


こんな顔させたいわけじゃないのに。


私だって、蒼汰と手を繋ぎたかったんだから。


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