告死天使
そもそも…「彼女に少しはカッコつけたい」、それが志望動機。

彼女が将来手の届かない存在になれば、俺がいだいた夢さえも「カッコつかない」ものに変わる。

始業前。
俺は席に着いた。

予備校にも見知った顔はいた。
俺と同じ浪人生、軽音楽部OB・元キーボード。
――奴は、出席してきた俺と目が合うと、席を立って話しかけてきた。

「聞いた?ボーカルの…
 …入院したって。」
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