告死天使
屋上
そして、今――2007年7月。

あと数ヶ月で、このビルは6周年を迎える。

それは丸々、俺がここにいた年数。
ここで足踏みしていた時間。

「結局俺は、何もできなかった。」

俺は、そう言葉に出していた。

彼女に何かを捧げることも。
自分のために、何かをやり遂げることも。

彼女に心酔していた。自分の夢を、彼女に重ねた。
なのに、「彼氏」のように、彼女に殉じることもせずに。

何もせず、ただ、生きていた。
――今年、俺は26になる。
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