独りのかみさま

雪の中で

また、歩いた。

しばらく歩き続けると、白いものがあった。

けれど、それは形があった。

雪だ。

けれど、それもすぐ止んだ。

最後の雪が落ちる。

落ちた所から、黒くなる。

それは広がる。

そして、広がったと思ったら、集まった。

集まり、球体になった。

指の一関節分の小さな球体。

それに突如ヒビが入る。

―――ビシッ

割れた。
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