諦めない
1人
。。。

伊豆高原の駅に着き母に連絡を入れてみたが、
電話繋がらない。。。

まっいつものことなんだけど。。


歩いて行くか。。。20分ぐらいで着くし。。

あっそういえば。。

「冬馬くんの家はどの辺りなの?」


「。。。あっちの方向。歩いて10分ぐらい」


「私と同じ方向だ。途中まで一緒にいこ」

私の知らない道を歩く早瀬冬馬。。
さすが地元。。。


歩く途中で早瀬冬馬と普通の会話をした。
中学生の頃はサッカー部だったとか、
高校一年の時は、1組だったとか。。

なんであんなにファンがいるのって聞いてみたけど、しらねぇって言われちゃった。。

「ここ。。春になったら来いよ。」


「え?ここ?」

並木道。。ここには来たことがなかったし、そもそも、春は伊豆には来たことがないから、わからないけど、もしかしてここは桜並木??

「春になると桜のトンネルになるからな。。まっ人ごった返してて、結構大変だけど。。
みる価値はあっから。」


「うん。来てみる!!冬馬くんが言うんだから、きっとすっごーーく綺麗なんだろうな。」

きっと早瀬冬馬は、大切な人とここを歩いたりするんだろうな。。

。。にやにや。。

幸せ〜

「キモい」

はっ!!つい想像してたら、つい気持ちが顔に出てしまった。。
がっキモいってーーーひどい!!


来年の春が待ち遠しくなったー。

でも来年はいよいよ受験で慌ただしいんだろうな。。今から緊張する。。


「俺ん家ここ」

えっ。。。
家でか。。

って。。。

ここ見覚えがあるような。。

あれ。。あっうちの別荘が見える。
途中知らない道通ってきたから、ここがどこかわかんなかった。。よかった。。

「あっあそこに見える赤い屋根の家がうちだからーー。なんかあったら来て。あっ。。でも私1週間ぐらいしたら東京戻るね。それじゃいい夏休みを!バイバイ」

「。。またな」

えっ。。振り向きざまに見た早瀬冬馬の顔が切なそうに見えたのは。。

気のせい?

また振り返り早瀬冬馬を見ようとしたが、
もう後ろを向いていた。。。

気のせい。。かな。
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