仮氏
そう思うようになってから彼から連絡がこないこともさほど気にならくなった。
だけど、やっぱり会ったときは少しだけ彼の周りにいる女性とは違うと思わせたくて、スキンケアや服装なんかも気にするし、ストレッチだってする。
他人からしたら無駄な努力のようにも思うだろうが、私にとっては決して無駄なものなんかではなかった。

彼と出会うまではファッションもボディメイクもそれなりにしかしていなかったし、あの日以来『女の子を頑張る』ってことを封印してきた。
そんな日が自分に来るとも思ってなかった。





『ひさしぶりー!今日仕事終わったら暇?駅で待ってる』




久々の彼からのメール。
私は定時で上がって家に帰った。
きっと彼は20時頃にならないと駅には来ないだろうから、その前にシャワーを浴びて着替えておきたかった。
せっかく久しぶりに彼に会うのだから、仕事終わりでヨレている私じゃない私で会いたかったのだ。
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