私に触れるあなたの温かい手
episode2
「素敵なお店だね」

「だろー?小さな店だけど店長も良い人だしケーキもうまいんだよ。」

結構気に入ってるこのバイトといって少年のような笑顔を向けた

コートのポッケに手をいれる
身長が高いからロングコート似合うな~
そんな事を思いながら隣を歩く


「……」

「……」

「……」

「…で?」

「え?」

「…なんで泣いてたの?」

「…ぁ……えっと…」

「俊関係でしょ」

やっぱりお見通しか…

「…ぅん……あのね…実はね…」

「あ、危ない…!」

びゅんーーーっ!

凄い勢いで車が横を通り過ぎた

「大丈夫?!ちは「…だ、大丈夫!あ、ああああありがと!!」

車側を歩いていた私を咲月くんが肩を引き寄せた

抱きしめられるように咲月くんの胸に飛び込んだ私の顔はきっと真っ赤だ

俊はこんな事しなかったから…
いつも道路側を歩いてくれて…
照れ屋なのかシャイなのかそれとも私に興味がなかったのか俊から触れてくるなんてあまりなかったから…

こういう男らしい事されるとドキッとしてしまう

すぐに離れてお礼を言って歩きだそうとすると

無言で咲月くんは車側を歩いてくれた

こういうところがモテるんだろうな…

「…で、俊と何があったの…?」

「あ、」

そーだった…。

「あのね…実は…俊と…別れたの…」
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