幼馴染みの期限

「そう、なら良かった。俺、渡瀬ともっと喋りたい」

「向井くんは、気になった人はいなかったの?」


「だったらこうやって誘ってないと思うんだけど。あ、笹岡さんの妹さんのこと気にしてる?……だったらほら、見てみなよ」


向井くんが指差した方に目を向けると、崇さんが連れて来た人の内の一人と楽しそうに話をしている宏美さんの姿が見えた。


こちらの視線に気がついた宏美さんが、両手で大きく『○』をつくる。


「ほらね。『オッケー』ってことじゃないの?」


行こうよ、と向井くんは私の手を取って歩き出した。
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