不器用な彼が隠した2文字



「いやぁ、朝比奈があんなに独占欲強いとは思わなかったわ〜」




昼ごはんの焼きそばパンを食べながら、ニヤニヤしているのは、佐々木。


この前、有紗と行ったショッピングモールで会った男子のうちの1人だ。




「俺が小日向ちゃんに可愛いねって言ったら、すげぇ勢いで睨んでくるんだもん。

殺されるかと思ったわ」




はは、と楽しそうに笑う佐々木が、心底ムカつく。

ムカつくんだけど、その話は真実すぎて何も言えない。





「…うるせえよ」



「小日向ちゃんに避けられてる時はすげぇ機嫌悪かったもんな!

良かったな、幸せになれて!」



「お前、本当イラつく」




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