不器用な彼が隠した2文字
「あっ、朝比奈先輩ー!」
中庭のベンチ。
ぶんぶんと手を振る有紗に、思わず笑ってしまった。
「お前、動きがうるさいよね」
「えぇっ」
あからさまにショックを受けてがくっと肩を落とす。
だから、そのリアクションがうるさいんだってば。
くくっと笑いながら、有紗が座っている隣に腰を下ろした。
「はい、どうぞ!」
ニコニコしながら渡されたのは、弁当箱。
ん、と受け取ったそれは、有紗が作った弁当。
何でこんなことになったのかというと…。