鬼の双子と新選組

部屋の中には土方さんの他に近藤さん、斎藤さん、沖田さん、原田さん、井上さんが居た。

「で、話って何ですか?土方さん」
「自画自賛するつもりはねえが、こいつ等2人と俺等って事は、相当強い奴らの集まりだろ?…誰か暗殺するのか?」

沖田さん、原田さんがそう聞くと土方さんと共に顔が強張っている近藤さんも重々と頷く。
……やっぱりか。

「あぁ、会津藩からの命を受けた…芹沢さん達では無く、俺たちで新選組を纏めよ…と」
「つまり、芹沢さん一派の除去…って事ですか?」

なんとなく、暗殺と言う言葉を丸くして聞く。
怖いものなんてない筈なのに怖いのは何故だろう。

「そういう事だ」
「なるほどな…分かった、それで決行するのはいつだ?」
「明日、角屋で酔わせ、八木邸に帰って、芹沢さんが寝たら決行だ」
「分かった」
「あの、1つ提案があるのですが…」

土方さんを見て言うと、周りの人達も私を見る。

「なんだ?言ってみろ」
「明日の角屋の遊女役、俺に任せてくれませんか?…俺ならすぐではありませんが、確実に酔わせる事が出来ます」

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