あいつの恋
「あああーっ!疲れた!」
本当に疲れているのか?
と疑うくらい元気な声で沙希が言った。
その途端授業開始のチャイムが鳴った。
「ギリギリやったな!」
「本間やな~…………あっ!」
しまった~。
「彩夏どうしたん?」
「携帯教室に忘れた~」
「うわっ、ありえへんやん。教室に取りに戻る?」
「いいっ?着いてきてくれる?」
「当たり前やん。授業サボれるし!」
顔を見合わせて笑って、
階段を下りようとした
その時――