奇聞録(冬)二巡目
日常の恐怖

冬二巡十話




頭が割れるように痛い。

偏頭痛だ。


この痛みはあの前触れ。

今夜辺り来るのだろう。


冬の夜。

鉄道の汽笛


最終貨物が通りすぎた後、

ゴソゴソと布団をまさぐるように這い上がって来る。


黒ずんだ赤ん坊


この赤ん坊


絶対に泣かないんだ。


黙ったまま、俺を踏みつけて遊ぶ


一晩中


頻繁になってきた頭痛には慣れてきたけど、
この赤ん坊には慣れない


ああ、やだなぁ・・・。

汽笛が聞こえる。


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