真夜中のお届け物【ぎじプリ】
真夜中のお届け物
 
12月に入ったばかりの街は、クリスマスが待ちきれないようで、どこもかしこも電飾で彩られ美しい。
リボンの掛かったプレゼントが積み上げられたショーウィンドウに、クリスマスカラーが目に眩しい看板。イルミネーションが輝く街路樹。
澄んだ空気のせいか、それとも華やかな気分のせいか、見慣れたはずのテレビ塔の赤さえこの時期はさらに鮮やかに見える。
ほぅっとため息をつくと、隣を走る車のヘッドライトの光の中に小さな白がチラチラと舞った。
思わず僕は空を見上げる。
ぼんやりと薄明るい曇天の夜空から、小さな雪のかけらが地上に向かって舞い落ちる。
キラキラと輝く街の上に音もなく白い雪が降る光景は、ショーウインドウに飾られたおもちゃのスノードームみたいだ。
そんな街の景色を横目で見ながら、僕は道路をバイクに乗って走る。


僕を待つ、君のもとへと。



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真夜中のお届け物

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