BEAST POLICE年末特別警戒スペシャル
倉本は、そんな美奈の肩を抱き寄せた。

「君は女性だ。恐ろしくて震えるのは恥ずかしい事じゃない」

「……」

「強く振る舞う必要はない。君も被害者だ」

「……」

「被害者の心のケアも、警察の仕事だ。君には普段世話になっている。仕事という事を抜きにしても、支えになってやりたい」

肩を抱かれたまま、美奈の体が弛緩していく。

震えが収まり、少しずつ落ち着いていくのが分かった。

「気分が安定したら、診療所まで送っていく。今日はゆっくり休むんだ。いいね?」

「…うん。有り難う」

倉本の優しい言葉に、美奈はジワリと涙を浮かべた。

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