ハードルは高いけど。
「だから、俺のことを使いこなせるのはすぐだよな?」
「え? いや、それは……」

 ――無理じゃないですかね。その言葉は寸でのところで飲み込む。危ない、危ない。

「なに?」
「なんでもないです」

 にこりと笑ったままの彼に愛想笑いを返し、開いたままで置いた教本に手を伸ばした。
 『無理』なんて言えば、怒られるに決まっているのだ。

『無理と思うから無理なんだよ』

 とね。そして続く言葉はこうである。

『思い出せ、初めて触れた日を』

 初めて触れたあのときも、使いこなせるはずがないと思ったんだ。
 ハードルが高いって。
 けれども、時間が経つにつれて、自分が使いやすいようにカスタマイズできるぐらいには知識がついたのは事実だ。楽しかったといえば、楽しかった。
 時間が経てば、きっとこのOS(彼)についても使いこなせるようになるであろう。
 だから――。

「頑張る、ね」
「頑張れ」

 返る彼の言葉に、よしと気合いを込める。
 早く使えるようになって、彼に誉めてもらうんだから!
 待っててよ、新しくなった私のPCさん。



(了)
※『パソコン』の擬人化
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