その一言を聞きたくて
さ、サービスよー。どーぞ。

笑顔でお酒を差し出す男。
近くで見ると、本当に可愛らしかった。
女性よりも女性らしい…声を除いては。

もちろんお酒を飲める年齢ではないが、二十歳で通せと言われた以上、拒否をする訳にもいかない。

友樹は苦笑いをしながらお酒を受け取り、グイッと一気に飲み干した。
その瞬間、一気に世界が歪んで見えた。
それもそのはず。
男が配っていたのはテキーラだったのだ。

ちょっ…このお酒…強…い。

初めて飲む酒がテキーラ。
しかも一気飲みしたとなると当然耐えられるはずもなく、倒れこんだ。

このままではまずい。
分かっていても体は動かず、次第に瞼も重くなり、そのまま眠りにつくのであった。
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