wish
第6章

約束と決意

帰ろうかと腰をあげたときには、日はすっかり落ちていた。


公園をあとにするとき、友香は昇に声をかける。


「ねぇ昇、」

「ん?」

「今度のテスト、そろそろでしょ?」


昇は少しだけ考えるように目を伏せ、


「あー…
そろそろ、だったっけ?」


と言った。


「うん。
そのときにね、いい点取ってお母さん説得してみる。

諦めないで、できることはがんばってみる」

「そっか」


昇の優しさは、少し分かりにくいけど、確かに伝わった。

ありがとうを、何回言っても足りないよ。


「本当に今日はありがとう。
昇から連絡もらえて嬉しかった。
今度、私からも連絡していい?」


昇が軽く頷いたのを見て、友香はパッと表情を明るくする。

学校以外にもつながりを持てたことが嬉しくて、
今から帰る家のことなど思い出さないほどに。


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