さくらの檻の中で。(仮)

作り顔



自分はひねくれていると
心の底から思うーーーーー。



「え!?そうなの?!
へぇーーーチョー意外!!!」


そんな声が聞こえる方向に
視線を送ると、
なぜか4〜5人の集団と目があった。


やばっ、みたいな声と一緒に
全員が一斉に目をそらす。


…勘は、鈍くないから、ね。


反応を見る限り、
あたしの話をしていたのだろう。


(……ほんと、うざい)


心の中で盛大に悪態をつく。

真面目で静かなあたしが
こんなこと思うなんて
あの子達は思ってもない。

(真面目ちゃんに彼氏できて
妬いちゃったんですか?
こんなどうでもいいあたしの話まで
どっから情報仕入れてくるんだか、
噂好きの暇人たちめ)


そうやって
心の中で罵倒する。



「櫻井さんおはよ〜」

「おはよ〜」

なんて気前のいい挨拶には

「おはよ〜〜!」

って気前よく返してあげる。

(……朝からうるさい)

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