さくらの檻の中で。(仮)


学校の近くには
あたりの高校生たちが
よく利用する、文房具屋さんがあって、
そこにいけばだいたい
必要なものは揃う。



「絵の具とガムテープと…」



「んじゃ俺ガムテープ探してくるわ」


「わかった、」


絵の具絵の具ーーーー……っと



……いや、嘘でしょ……



なんのタイミングが合って
この人とよく出会うんだろう。


絵の具コーナーと向かいの
たくさんのペンが並んだところに

「明希…」



小さい声だったのに
聞き取ったらしい明希は
ゆっくりとこっちを見て
驚いた顔をした。


「凪沙。奇遇じゃん。」

「あー…うん、」


「文化祭の買い出し?」


買い物リストを手に持っていたから
わかったんだろうけど、

「お前ひとり……じゃねーよな?」



「凪沙ぁーガムテープあったー」




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