さくらの檻の中で。(仮)


「…」


バスケ部の中では
毎回レギュラーにはいるのに

バスケ以外は
あんまり運動得意じゃないってのも
聞いたけど…

ドリブルも
スピードで誤魔化してるけど、
なんか…ぎこちない……



思わず
吹き出してしまいそうになる。

…なんか、カワイイ、かも。


顔がにやけそうになるのを
必死に抑える。

そんなことを考えていたとき

「櫻井さん、ぼーっとしても
怒られないとか
優等生ってずるいよね〜」


嫌な言葉が聞こえる。

……


あたしに向けられた、言葉じゃないことは
そのボリュームから明らか。


「授業なんてヨユーなんだよ、きっと」

「うちらみたいなのには
わかんないよねぇ、」



…うん、そうですか。

人の努力も知らずに。


悠真を愛しいと思う気持ちも
萎えてしまう。



静かな性格がたたってか、
友だちは少ない。

もしかしたら
ひねくれた心の声が
聞こえてるのかもしれないけど。


別に、
本音を隠そうと思ってしてるわけじゃない。



過去のトラウマからなのか、
無意識に仮面をかぶって
外キャラをつくってしまう。


そのキャラの方が
馴染みにくいことは
わかっているのだけど。








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