さくらの檻の中で。(仮)


「噂なんて
勝手に流しておけばいいんだよ。

……なんて、偉そうなこと言うけどさ。
まー、どうしようもないよね、」




カチャッと
倉庫の鍵を閉めて橘さんを見れば、
ぽかん…と口を開けている。


「え…なに?」


「黒いん、だね…」


引かれると思ったけど、
橘さんは
ふふっと肩を震わせて
笑っていた。


「やっぱりあたし、
櫻井さんのこと好きだな…」


「な…っ」


す、好きって…


「手伝ってくれて、
ありがとう…櫻井さん」



「…いや…


あの、橘さん、
なぎ、でいいよ」


「な、なぎ……ちゃん」


なんでそんなに照れるかな。


こっちまで釣られちゃうじゃん。



「じゃ、ね。
また明日」


「…あっ、うん!」



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