内緒で優しくして欲しい
冷たい彼
まだ4時過ぎなのに、私は仕事を放り出して、立ち上がった。
もう耐えられない。

オフィスを出て給湯室へ逃げ込む。
蛇口を捻って手を洗うと、冷たい水が気持ちいい。
でも、頭はまだ熱を持ったままだ。

書いても書いても資料に上司のOKが出ない。もう限界だ。
頭の使い過ぎで血糖値が下がったのか目眩がする。

流しに俯いてため息をついていると、背中に彼の気配を感じた。

「大丈夫?」

優しい声。

「大丈夫。ちょっと、疲れただけ。」

私がそういって振り向くと、
彼はいつものように微笑みながら立っていた。

「今日はキツそうだな。少し休憩した方が良いよ。」

「そうだね。」

彼は私に冷たいお茶を出してくれた。

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