君が世界で一番幸せになりますように。




コンクール当日。


君はいなかった。


プログラムが進むなか、私は必死に心の中でお願いしてた。


【どうか、来ますように】


私たちのクラスが歌う直前に君は来た。


笑顔で「遅れたー」って言いながら。


「なんで来たわけ?」

「来んなよ」


女子たちが聞こえるように君に言った。


本番になり、君はふざけず真剣に歌った。


誰よりも声を出して、誰よりも真剣な君。


女子たちはコロッと手のひら返して「ごめんね」だって。

ほんとひどい話。


あんなに君を傷つけたのに許せない。




…あれ?なんで私はこんなこと思ってるんだろ。

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