それが伝え方なのです



「うーん、確かに寂しいよ?」



じっと見つめられてちょっとだけそわそわしてしまう。小学校でも中学のときも言われたんだよね。そんなにわたしって泣きそうなのかな。


確かに今までは学校に行けばさーやんとゆーみんに会えた。いろいろな話をして相談にも乗ってもらったり乘ったり、じゃれあったり。そういう当たり前に過ごしていたことがなくなっちゃうのは悲しいし寂しい。でも、



「会えないわけじゃないでしょ?」



幸いというかなんというか、3人とも地元で進学するから会おうと思えば簡単に会いに行ける距離だ。声を聞きたいと思えば聞くことができる。


それにラインもできるしその場ですぐに連絡だって取れる。ちゃんと繋がっているんだっていう実感がある。



「2人のこと大好きだし、これからもずーっと友達でいられる未来が想像できるから。悲しくないよ」



だから泣いたりしない。寂しいのは否定しないけど、と付け加える前にゆーみんたちにぎゅーっと抱きしめられた。ほ、豊満なさーやんの胸がほっぺに…!!



「やっちゃんが、やっちゃんが大人に…!」


「そうね。柄にもなく泣きそうになったわ」



成長したのね、としみじみ言われてお父さんお母さんかと言いたくなった。そんなこと言わないけどね。言ったらさーやんだけでなくゆーみんにまで怒られそうだ。一応…一応同い年だもんね。でもこれ言われたほうもほうだけど言う方のわたしも複雑だよ。





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