それが伝え方なのです



きゃっきゃと2人ではしゃぐわたしたちを見てさーやんはため息をこぼす。



「あんたたち、一応受験生って自覚ある?」



呆れたような物言いにピシリとわたしとゆーみんの動きが止まった。


そ、そういえばそうだった…わたしたちって一応は受験生なんだよね。いや、本気で忘れてたわけではないんだけども。



「で、でも息抜きは必要だと思うし!あたしはどこに行くか実は決まっててあんまり心配してないんだよねぇ」



気まずそうに頰を掻くゆーみんは美容系の専門学校に行くらしい。ここは進学校だけどゆーみんは別に進学には興味がなかったみたい。


とりあえずここに来て本当にしたいと思うことを探していて、だから専門学校に行くことも特に親の反対とかはなかったと言っていた。



「んー、まぁ弓はそうでも弥生は?」


「わたしもそんなに心配はしてないんだけど…」


「やっちゃん何気に頭いいもんねぇ」


「何気にってひどいっ」



確かにみんなに馬鹿っぽいって言われるけど勉強自体は嫌いじゃないもんっ。


まぁ理系は嫌い、というか苦手だけど……わたしってそんなに頭悪そうに見えるのかなぁ。




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