それが伝え方なのです
へぇ、と返しながら沢木さんを見上げる。静くんもかっこいいけど沢木さんもかっこいいな。かっこいい人の周りにはかっこいい人しかいないんじゃないかと思うぐらい。
しかも沢木さん、高校の時から付き合っている彼女さんがいて写真も見せてもらったけどすっごくかわいい人だった。
そしてその彼女さんと写っていた沢木さんの幼馴染さんとその彼女さんもかっこいい人と可愛らしい人だった。(ちなみに幼馴染さんたちは中学からの付き合いらしい)
なんていうか、これだけ身近なところに見目麗しい人たちがらいると凡人たるわたしが切ないというかなんというか……
「やよ、」
「あ、静くん」
お帰りなさい、と笑うと静くんもふわりと柔らかな笑みを浮かべてくれた。
夏という蒸し暑い季節だけど静くんはいつも涼しそうだなぁ。穏やかな雰囲気を纏っているからかな。
ふと気づくと静くんがじっと沢木さんを見ていてつい2人を見比べてしまう。どうしたんだろ。
首を傾げるわたしをよそにクスリと沢木さんが楽しそうに笑って。
「そんなに心配しなくても大丈夫って知ってるでしょ?僕彼女いるし」
「…悪い」
「いいよ。逆の立場だと僕もやってると思うしね」
行こうか、と先に歩いて行ってしまう沢木さんの背中を見ながらキョトン。さっきの会話どういう意味だったんだろ。