それが伝え方なのです



この日のためにみんなで水着を新調したのでお互いの水着がどんなものなのかはわかっている。けどそれはあくまで知っているのであって実際に着てみせるのは初めてで。


2人におだてられるがままに買っちゃったけど、あとで1人で着てみたら恥ずかしかったんだよね…うぅ、なんて言われるのか怖い。


いそいそと端っこで小さくなりながらなんとか着替える。これ以外水着ないし、仕方ないもんっ、遊びたいし!



「やっちゃん着替えたー?」


「う、うん」



もぞもぞとタオルで隠しながら振り返ってくらりと目眩がした。


まっ、眩しい!ゆーみんとさーやんの水着姿が似合いすぎて…っ!!



「どしたのよ」


「凡人の世知がたさを痛感中…」


「は?」



意味が伝わらなかったのか首を傾げるさーやんはシンプルな黒のビキニで柄やフリルがないのが返ってセクシーさを煽りさーやんの魅力を引き出している。



「あはっ、それわかるぅ。紗耶のナイスバディーの隣に並びたくないもん」



さーやんの胸を見てそう言うゆーみんは淡いピンクに白のドットが入ったホルターネックのビキニで下はひらひらのスカートになっている。


胸元の大きいリボンとスカートについた左右のリボンがかわいくてゆーみんの雰囲気にぴったりだ。



「わたしはゆーみんの隣にも並びたくないよ……」



2人を前にしたらわたしなんてフジツボだ。いっそのことフジツボといっしょに岩に同化したい。





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