親友 コトバは罪より重い
第一章 梶谷さんへ 日比野翔子より

いじめの始まり



年が明けて三学期が始まった。

でも私たちのクラスはどのクラスよりも静かだった。

みんな転校した梶谷さんの告白が忘れられないでいたから。

それは雪村先生も同じ。


このクラスの中に沙耶を殺した犯人が三人もいる。そんな現実を受け止めるのと同時に大きな爆弾を梶谷さんは残していった。

男子はみんな女子を疑って以前の様に関わったりしないようにしている。

梶谷さんが残したヒントで犯人が誰なのか何となくわかった人もいるからだ。

梶谷さんが言っていた犯人、それは尾崎さん。あの日…梶谷さんが教室を出た後、怯えていた。


そして始業式の今日学校を欠席し、メールや電話にも出ない事から尾崎さんが三人の犯人内の一人。

でも私は信じられなかった。どうして尾崎さんが?理由を知りたい。

でも、この気持ちは私だけじゃないはず。尾崎さんは確かに控えめな性格で運動も苦手そうなイメージがあるだけだけど、尾崎さんが沙耶を殺す動機があるとは思えない。

だけど梶谷さんが言っていたヒントに尾崎さんは当てはまってしまう。

何より学校を欠席してしまったら認めたのと同じ。


「たく、女って怖いよな。まさか尾崎が」 


「おい!女子!いい加減に名乗り出ろよ」


完全に教室は男子が支配していた    

「誰が沙耶を殺した!白状しろ」


「人殺しと同じクラスとかマジ最悪」


「受験に響いたらどうしてくれんだよ!」


わからない。梶谷さんは少年法を理由に誰がどうして沙耶を殺したのか話さなかった。だからクラスがバラバラだ。言ってくれればこんなことには…


「みんなしっかりして!」


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