私だけのナイトプリンス
「しまった」

仕事でミスをしてしまった。担当者の方に頼んでおいたつもりのプレゼンテーションの資料が連絡ミスで締め切りに間に合わない。

上司と向かい合い怒られている私。上司の迫力と申し訳なさで顔を上げることができない。

「ちょっと待って下さい。その仕事僕ができます。僕にさせて下さい」

今まで聞いたことのない気迫のこもった『彼』の声だった。彼のおかげでプレゼンテーションは問題なく終わらせることができた。彼が助けてくれた。

「ごめんね、ありがとう」

心から感謝した。心から謝った。私のせいで彼に仕事を増やしてしまったのだから。

「大丈夫」

そう言って彼は私に微笑んだ。彼はいつも私に優しい。彼はいつも私を守ってくれる。

あの日、ファーストフード店で告白の返事をしてから彼とたくさん話した。彼のことをたくさん見た。職場で淡々と仕事をこなすサイボーグのような『彼』。私が話しかけても、他の人が話しかけても目上の人以外対応を変えない『彼』。

私といる時だけ饒舌になる『彼』。私といる時だけサイボーグから人間に戻る『彼』。私にだけ作られていない笑顔を見せてくれる『彼』。

だから、さっき見せた微笑みは私しか知らない。

彼は私だけ守ってくれる、彼は私だけの素敵な素敵な王子様・・・。




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ロッカーの鍵を擬人化させました。
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「学校に行きたくない」 勉強が嫌いな訳でも、いじめられている訳でもない。 けれど、少年は学校に行きたくなかった。そんな彼を変えたのはたったひとつの出会いだった。 ******************************* 誠に勝手ながら、章タイトルを変更させていただきました。 読んでくださる方、本当にありがとうございます。感謝の気持ちでいっぱいです。 のんびり更新します。 楽しんでいってください。 ※作者のハンドルネームを「藤滝将軍」→「緋偉路いろは」に変更しました。今後ともよろしくお願いします。

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