猫足のバスタブ、愛の誓い
猫足のバスタブ、愛の誓い





同じマンションの同じ階

隣り合った部屋の番号は501と502

ワンフロア2部屋のタイプのこのマンションは中世ヨーロッパを思わせる外観に一目惚れして即入居を決めたといつか叔母さんが言っていた


502の住人である私は公立高校の2年生
これといって特徴の無い変凡な女子高生である
同居しているのは母の妹であり、つまり私の叔母である美樹さん
物心ついた時には私は美樹さんとこのマンションでいまの生活を送っていた
母は誰の子か分からない私を身籠ると、産み落としてすぐにどこかの男と蒸発した
そして時々気が向いた時に姿を見せに現れた
来る度に男が変わっているのはなんとなく感じていた



一方501の住人はと云うと
今年の春有名私立大学に入学した男子学生ひとりである
彼もまた私が物心ついた時にはこのマンションに住んでいた
一昨年までは彼の両親も501に住んでいたがある日突然姿を消した
その理由は彼曰く宝くじが当たったので都心の1等地に家を建てたとか
昔から冗談の多い彼の話をどこまで信用していいのか怪しいものではあるが






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