だけど私が初めて目にした貴族様は

雨に飲まれそうだった




存在そのものを疑うくらい

不安定な場所に

孤独に苛まれながら取り残されていた




彼の瞳は

何を考え

何を映し

何を感じているのか




私の体温を徐々に抜き取っていく雨を

彼はどんな気持ちで見ているのか



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