二人の秘密。〜短編・学園LOVEstory①〜
誰も居ない教室で、
皆が帰った教室で、
君と僕だけが残って話を始める。
僕たちの会話には、学校の話題なんて出ない。
誰かの悪口を言ったり、
学校の愚痴をこぼしたり、
そんな会話はしない。
進路の話しだってしないし、
恋ばなもしない。
純粋に二人は、自分の興味のある話ししかしない。
そこに他人が踏み込む余地は無いし、誰にも踏み込まれたくない。
それは君も同じ考えの様だ。
だから放課後が待ち遠しいのだ。
お互いに。
時間が過ぎるのが速い。
まだ話したい。
一緒に居たい。
最終のチャイムが鳴るのが、
僕達の時間の終了の合図。
昇降口から校門を抜けて、
「また明日ね。」
と、挨拶をして、明日の放課後まで他人になる。
この関係が、心地好い。
電話も、メールも、何もしない。
連絡先も知らないし、家も知らない。
こんな放課後だけの友達。