すきだから
「香苗、それはさ・・・」
「相川さん」

陽菜が何か言いかけた所で、私はクラスの男子から声を掛けられる。

「はい?」

「話があるって。呼んでるよ。・・・・・中野が」

その男子は親指立て、教室の入口に向けて指し示す。


聞きなれた苗字に、ドキリとした。

向かいに立つ陽菜の顔は、入口に立つ男を見て怪訝な表情を浮かべる。


教室の入口に立っていたのは、紛れなくアイツ。



・・・雄太だった。

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